
「うちの子が急にごはんを食べなくなった…どうしよう?」
大好きな愛犬がドッグフードを食べなくなると、心配になりますよね。
「病気かも?」「おやつのせい?」「飽きちゃったの?」と、さまざまな理由が頭をよぎることでしょう。
実は、犬がフードを食べなくなる原因は 「体調の変化」「環境の影響」「食事のわがまま」「フードの鮮度や香りの変化」 など、多岐にわたります。
しかし、正しい対処法を知っていれば 愛犬の食欲を取り戻すことは十分可能です。
この記事では、犬がドッグフードを食べなくなる理由と、その解決策を詳しく解説します。
すぐに試せる簡単な工夫や、フードを食べたくなるテクニックも紹介しますので、大切な愛犬が毎日健康的に食事を楽しめるように、この記事を参考にしてみてください。
愛犬がドッグフードを食べてくれない原因と対処方法について
犬がドッグフードを食べない原因はさまざまですが、主に 健康・環境・食事習慣・心理的要因 に分けられます。
それぞれの原因と対処方法について詳しく解説していきます。
健康上の問題
犬が突然ドッグフードを食べなくなった場合、 病気や体調不良 が関係している可能性があります。
口腔内の問題
口腔内の問題(歯周病、虫歯、口内炎、歯のぐらつきなど)が原因でドッグフードを食べなくなった場合、食事の工夫や口腔ケアによって解決できることがあります。
ここでは、具体的な対処法を 問題別の対応策、食事の工夫、ケア方法に分けて解説します。
【問題別の対処法】
口腔内の状態によって、適切な対応が異なります。以下の表を参考にしてください。
問題 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|
歯周病・歯のぐらつき | 口臭が強い、歯茎の腫れ、食べる時に痛がる | ・ドライフードをふやかす(ぬるま湯やスープで柔らかくする) ・ウェットフードに切り替える ・獣医での歯石除去や治療を受ける |
口内炎・口の傷 | よだれが増える、口を触るのを嫌がる | ・フードの形状を変更(柔らかくする) ・刺激の強いトッピングを避ける(塩分の多いもの、スパイス系) |
虫歯 | 片側でしか噛まない、口を気にする | ・片側で噛めるサイズにカット ・痛みが強い場合は獣医へ相談 |
歯の生え変わり(子犬) | 歯茎のむずがゆさ、硬いものを嫌がる | ・ふやかしフードやペースト状フードを与える ・歯固め用のおもちゃを活用 |
【食事の工夫】
愛犬が痛みを感じずに食べられるようにするための工夫を紹介します。
① ドライフードを柔らかくする
- ドライフードに ぬるま湯 を加え、5〜10分ほどふやかす。
- 水分が馴染んだら、スプーンなどで軽く潰して食べやすくする。
- 人肌程度に冷ましてから与える。
- スープや低脂肪の出汁 を加えると、香りが立って食欲が増す。
- 熱湯を使うと栄養が壊れる可能性があるので 40℃程度のぬるま湯 がベスト。
② ウェットフードや手作り食に変更
硬いフードが食べにくい場合は、以下のような食事に切り替えるのも有効です。
食事の種類 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
ウェットフード | 柔らかく、香りが強いので食欲が出やすい | 歯石がつきやすいので、口腔ケアをしっかり行う |
手作り食(お粥状のごはん) | 消化が良く、痛みが少ない | 栄養バランスに注意(カルシウム・タンパク質不足にならないようにする) |
ペースト状フード | 飲み込むだけで食べられるので痛みが少ない | 嗜好性が強くなりすぎると、通常のフードを嫌がるようになる |
- 鶏肉や野菜のスープ をフードに混ぜると、香りが増して食欲が出やすい。
- 栄養バランスを考え、獣医師と相談しながら変更する。
③ 食器や食べ方の工夫
「食べる姿勢」や「食器」が影響している場合もあるため、以下の点を注意してみてください。
高さのある食器を使う | 食べる姿勢がラクになり、痛みが軽減する |
金属製の食器を避ける | 反射や音が苦手な犬は、陶器やシリコン製を試す |
手から少しずつ与える | 痛みがある場合、手で与えると食べやすくな |
④口腔ケアで予防する
一度口腔内のトラブルが起こると、再発しやすくなるため、日常的なケア が重要です。
ケア方法 | ポイント | 頻度 |
---|---|---|
歯磨き | 犬用歯ブラシ・歯磨き粉を使用 | 毎日が理想、最低でも週3回 |
デンタルガム | 歯石予防・噛むことで歯茎をマッサージ | 週2〜3回 |
マウススプレー | 口臭対策・細菌の繁殖を抑える | 毎日 |
獣医の歯石除去 | 専門的な処置が必要な場合 | 年1回 |
⑤獣医に相談する
以下の症状が見られたら、すぐに獣医に相談しましょう。
✔ 口臭が強く、歯茎が赤く腫れている(歯周病の可能性)
✔ よだれが多く、口を気にしている(口内炎や虫歯の可能性)
✔ 食べると痛がる仕草をする(歯のぐらつき、歯茎の炎症)
✔ 3日以上食欲が戻らない
消化器系のトラブル
消化器系の不調(下痢・便秘・胃炎・膵炎など)が原因で食欲が低下することがあります。
これらの症状は 食事内容の見直しや適切なケア で改善できることが多いため、具体的な対処法を詳しく解説します。
【消化器系トラブルの原因と症状】
まずは、犬の消化器系のトラブルを種類別に整理し、症状を確認しましょう。
消化器系トラブル | 主な症状 | 考えられる原因 |
---|---|---|
胃腸の不調(軽度) | 下痢・便秘・ガス溜まり | フードの急な変更、食べすぎ、ストレス |
胃炎・胃潰瘍 | 吐き気、嘔吐、食後に気持ち悪そうにする | 刺激の強い食べ物、長期間の空腹、ストレス |
膵炎 | 嘔吐、食欲不振、ぐったりする | 脂っこい食べ物の摂取、遺伝的要因 |
腸の不調(腸炎など) | 血便、粘液便、腹痛のサイン(背中を丸める) | 細菌感染、アレルギー、ストレス |
【対処法】
消化器系の不調を改善するためには、 食事の工夫・環境の整備・必要に応じた医療処置 が必要になります。
① 食事の見直し
胃腸が弱っている時は、普段のドッグフードでは刺激が強すぎることがあります。そこで、以下のような食事の調整を行いましょう。
症状 | 推奨される食事 | 避けるべき食事 |
---|---|---|
軽い胃腸の不調 | ふやかしたフード、低脂肪の療法食 | 高脂肪フード、冷たい食べ物 |
胃炎・胃潰瘍 | 白米・鶏肉のスープ、消化の良い療法食 | スパイス・塩分の強い食べ物 |
膵炎 | 低脂肪の療法食(膵炎対応) | チーズ、牛肉、バター類 |
腸の不調 | 消化の良いフード(乳酸菌配合) | 牛乳、小麦などアレルギー要因の食材 |
- ドライフードをふやかす(ぬるま湯で10分ほど)
- ウェットフードや消化に良い療法食に変更
- 1回の食事量を減らし、回数を増やす(1日3~4回に分ける)
② 環境の見直し
消化器系の問題は ストレス も大きく関わります。以下の点を見直しましょう。
静かな場所で食べさせる | 騒がしい環境ではストレスで食欲が低下 |
食事の時間を一定にする | 体内リズムを整え、消化を助ける |
フードの急な変更を避ける | 切り替えは 1週間ほどかけて 徐々に行う |
③ 水分補給を徹底する
胃腸のトラブルで 脱水症状 になると、さらに体調が悪化することがあります。
- 常に新鮮な水を用意
- スープやぬるま湯をフードに混ぜる
- 氷や電解質サポートウォーターを活用(獣医推奨のもの)
犬が水を全く飲まない場合は、すぐに獣医に相談してください。
④ 便や嘔吐の状態を観察する
消化器系の問題は、便や嘔吐の状態からある程度の判断が可能です。
状態 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
軟便・下痢(1日~2日) | 軽い胃腸不調、フードの影響 | 一時的に消化の良い食事に切り替え |
水のような下痢が続く | ウイルス・細菌感染、腸炎 | 早めに動物病院で診察 |
血便(赤色) | 大腸の炎症、ストレス | 獣医に相談し、必要なら検査 |
黒っぽいタール状の便 | 胃潰瘍、内出血 | 至急病院へ! |
嘔吐(1回) | 軽い胃もたれ | 様子を見る(絶食はしない) |
嘔吐(頻繁) | 胃炎、膵炎の可能性 | 早めに獣医に相談 |
⑤ 獣医に相談する
以下の症状が見られた場合は、早めに獣医の診察を受けることをおすすめします。
✔ 下痢・嘔吐が24時間以上続く
✔ 水を飲んでも吐く(脱水症状のリスク)
✔ 血便や黒い便が出る(消化管出血の可能性)
✔ ぐったりして元気がない
✔ 3日以上フードを食べない
内臓疾患
内臓疾患(腎臓病・肝臓病・糖尿病など)が原因で食欲が低下することがあります。
これらの疾患は 早期発見と適切な食事管理 が重要です。
ここでは、具体的な対処法を 疾患別の特徴・食事の工夫・ケア方法 に分けて詳しく解説します。
【内臓疾患の種類と症状】
愛犬の食欲低下が内臓疾患によるものかどうかを判断するために、以下の症状をチェックしましょう。
疾患名 | 主な症状 | 考えられる原因 |
---|---|---|
腎臓病 | 食欲不振・飲水量の増加・体重減少・頻尿 | 加齢、遺伝、慢性的な腎機能低下 |
肝臓病 | 食欲不振・元気がない・黄疸(歯茎や皮膚が黄色くなる) | ウイルス、薬物中毒、脂肪肝 |
糖尿病 | 食欲が不安定・多飲多尿・体重減少 | インスリン不足、肥満 |
心臓病 | 疲れやすい・呼吸が荒い・食欲低下 | 高血圧、遺伝、老化 |
副腎疾患(クッシング症候群) | 異常な食欲増減・お腹が膨らむ・多飲多尿 | ホルモン異常 |
- 水を大量に飲む or ほとんど飲まない
- おしっこの回数や量が異常
- 急激な体重減少
- 黄疸(皮膚や歯茎が黄色くなる)
- ぐったりして動かない
【内臓疾患の対処法】
内臓疾患を持つ犬は、適切な食事管理と獣医の指導 が不可欠です。以下の対策を実践しましょう。
① 食事の見直し
内臓に負担をかけない食事が必要になります。疾患ごとに適した食事を以下の表でまとめました。
疾患 | 推奨される食事 | 避けるべき食事 |
---|---|---|
腎臓病 | 低タンパク・低リンの療法食、水分を多く含む食事 | 高タンパクフード、塩分の多い食事 |
肝臓病 | 高品質のタンパク質(鶏肉・魚)を少量、ビタミンB群豊富な食事 | 高脂肪のフード、加工食品 |
糖尿病 | 低GIの食材(玄米、さつまいも)、食物繊維豊富なフード | 砂糖入りおやつ、高炭水化物のフード |
心臓病 | 低ナトリウム食、オメガ3脂肪酸を含む食事 | 高塩分の食事(人間用の食べ物) |
副腎疾患(クッシング症候群) | 高タンパク・低脂肪の食事、抗酸化作用のある食材 | 高脂肪食、糖分の多い食べ物 |
- ドライフードをぬるま湯でふやかす → 消化しやすくなる
- スープや手作り食を取り入れる → 食欲が低下している時に有効
- 小分けにして1日3~4回与える → 消化負担を軽減
② 水分補給を徹底する
特に 腎臓病・肝臓病・糖尿病 の犬は水分管理が重要です。
- 常に新鮮な水を用意する
- フードに水分を加える(スープ・ウェットフードを活用)
- 電解質補助ドリンク(獣医指導のもと)を利用
水を飲まない場合は以下の方法も試してみてください。
- スープや薄めたヤギミルクを混ぜる
- 水を飲む器の素材を変えてみる(陶器やプラスチック)
③ 運動と生活環境の見直し
内臓疾患の犬には、過度な運動は避けつつ、適度な活動 を心がけることが重要です。
腎臓病・肝臓病の犬 | ストレスを減らし、安静な環境を作る |
糖尿病の犬 | 軽い散歩を日課にして血糖値を安定させる |
心臓病の犬 | 興奮しないよう、静かな環境を保つ |
環境の変化
犬は 環境の変化に敏感 で、それが食欲に影響を及ぼすことがあります。
引っ越しや旅行
引っ越しや旅行は 環境の変化 に敏感な犬にとって大きなストレス要因となることがあり、その結果、食欲が低下することがあります。
ここでは、 原因・具体的な対策・食事の工夫・環境の整え方 について詳しく解説します。
【引っ越しや旅行によるストレスの影響】
犬は 環境の変化に敏感 で、安心できる場所でなければ食事を摂らないことがあります。特に以下のようなストレスが影響します。
状況 | 犬の感じるストレス | 主な症状 |
---|---|---|
引っ越し | 新しい環境の匂いや音、人の出入り | 食欲不振・落ち着かない・トイレの失敗 |
旅行(宿泊) | 知らない場所、移動による疲れ | フードを食べない・緊張して震える |
移動(車・電車・飛行機) | 乗り物酔い、振動や騒音 | 嘔吐・下痢・食欲低下 |
【引っ越し・旅行でドッグフードを食べなくなった場合の対処法】
① 食事環境を整える
・引っ越しの場合
食事スペースを一定にする | 新しい家でも 落ち着いて食べられる場所 を決める(静かで人の出入りが少ない場所) |
以前の環境を再現する | 使い慣れた食器・マット・水飲みボウルをそのまま使う |
食事の時間を一定に保つ | 以前の家での食事時間を変えないことで、安心感を与える |
・旅行・宿泊の場合
普段と同じフードを持参 | 旅行先でフードを変えない(環境の変化+フード変更は負担大) |
使い慣れた食器を持っていく | 食べ慣れた食器の方が落ち着いて食事しやすい |
食事の時間を変えない | 旅行中も 普段の食事リズムを維持 |
② 食事の工夫
環境の変化で 食欲が落ちている犬 に対して、食事の工夫をすることで食べるきっかけを作ります。
食事の工夫 | 方法 | ポイント |
---|---|---|
フードを温める | ぬるま湯(40℃程度)を加えて香りを立たせる | 香りが強くなることで食欲を刺激 |
トッピングを加える | 低脂肪の鶏肉スープ、ささみを細かくしたものを少量混ぜる | いつものフードに少しだけ加えて食べやすくする |
手から与える | 少量ずつ手からあげる | 飼い主の安心感を得ながら食べられる |
少量ずつ与える | 1回の食事量を減らし、回数を増やす | 一気に食べるのが負担な犬に効果的 |
③ ストレスを和らげる工夫
環境の変化によるストレスを軽減することで、自然と食欲が戻りやすくなります。
ニオイの変化に配慮 | ・使い慣れたブランケットやベッドを持参 ・引っ越し直後は、犬が落ち着ける匂いのあるもの(飼い主の服など)を置く |
安心できる空間を作る | ・ケージやクレートを利用し、落ち着ける場所を確保 ・静かな環境でゆっくり休ませる |
移動の負担を軽減 | ・長距離移動の際は休憩をこまめにとる ・乗り物酔いしやすい場合は、事前に獣医に相談して酔い止めを処方してもらう |
季節の変化
季節の変化は犬の体調や食欲に影響を与えることがあります。特に 夏の暑さによる食欲低下(夏バテ) や、冬の寒さによる運動不足(食欲減退) は、多くの犬に見られる問題です。
ここでは、季節ごとの食欲低下の原因と対策 を詳しく解説します。
【季節の変化による食欲不振の原因】
季節 | 主な原因 | 具体的な症状 |
---|---|---|
夏(暑い時期) | 高温・湿度の影響で食欲低下、水分不足 | 食べる量が減る、水をあまり飲まない、動きが鈍くなる |
冬(寒い時期) | 体温維持でエネルギー消費が増えるが、運動不足になる | 食べる量が減る、運動を嫌がる、便秘気味になる |
【夏(暑い時期)の対策】
① 食事の工夫
暑さで食欲が低下する犬には、涼しく食べやすい工夫 を取り入れましょう。
対策 | 方法 | ポイント |
---|---|---|
フードを冷やす | 冷蔵庫で少し冷やしたウェットフードを与える | ひんやりした食事で食欲を刺激 |
水分を増やす | ぬるま湯やスープをフードに混ぜる | 水分補給と食べやすさアップ |
トッピングを加える | ささみ・ヨーグルト・茹でた野菜を少量混ぜる | 香りや食感を変えて食欲を刺激 |
- 冷たすぎる食事は胃腸に負担をかけるため 常温~少し冷たい程度 にする
- 脂っこいものや塩分の高いものはNG(暑い時期は胃腸が弱りやすいため)
② 環境を整える
暑さが原因で食欲が落ちる場合は、食事環境を改善しましょう。
室温管理 | ・エアコンや扇風機を活用し、室温を25℃前後 に調整 ・直射日光が当たる場所ではなく、涼しい場所で食事をさせる |
食器の工夫 | ・冷感プレートや陶器製の食器 を使うと、フードが熱くならず食べやすい ・ステンレス製の食器は熱を持ちやすいので、暑い時期は避けるのも◎ |
水分補給を意識する | ・こまめに新鮮な水を交換 ・氷を1つ入れてひんやり感を出す(遊びながら飲むことも) |
③ 夏バテの兆候と獣医に相談すべきサイン
以下の症状が続く場合は、すぐに獣医へ相談しましょう。
✔ 3日以上食欲が戻らない
✔ 水を飲む量が極端に減った or 増えた
✔ ぐったりして元気がない
✔ 嘔吐や下痢が続く
【冬(寒い時期)の対策】
冬は寒さによる 代謝の変化 や 運動不足 が影響し、食欲が減ることがあります。
① 食事の工夫
対策 | 方法 | ポイント |
---|---|---|
フードを温める | ぬるま湯(40℃程度)をかけて香りを引き立てる | 香りが強くなり食欲を刺激 |
エネルギーを補う | 良質なタンパク質(鶏肉・魚)を少し追加 | 体温維持に役立つ |
食物繊維を増やす | さつまいも・かぼちゃを少量加える | 便秘予防に◎ |
- 熱すぎると火傷の原因になる ため、人肌程度 に冷ましてから与える
- 脂肪分の多い食材は避ける(消化不良の原因になる)
② 運動を増やして食欲アップ
寒い時期は運動不足で食欲が落ちることがあります。適度に体を動かすことで、自然と食欲が湧いてきます。
室内運動を増やす | ・おもちゃ遊びや知育玩具を活用 して体を動かす ・短い時間でも散歩に行く(防寒対策をしっかり) |
食事前に軽く運動 | ・食事前に少し遊ばせると、食欲が増しやすい ・軽いストレッチやマッサージ で血行を良くする |
③ 冬の食欲低下の兆候と獣医に相談すべきサイン
寒さによる一時的な食欲低下なら心配ありませんが、以下の症状が続く場合は要注意 です。
✔ 3日以上食欲が戻らない
✔ 体重が急激に減った
✔ 元気がなく、動きたがらない
✔ 排泄の回数や便の状態が極端に変化(便秘・下痢)
食事の環境
犬は 食事環境の変化に敏感 で、落ち着かない場所や食器の違和感が原因でフードを食べなくなることがあります。
特に 騒がしい環境、食器の素材、食事の位置 などが影響を与えることが多いです。ここでは、原因別の対策、食事の工夫、食器選びのポイント について詳しく解説します。
【食事環境の影響と主な症状】
原因 | 影響 | 犬の反応・症状 |
---|---|---|
騒がしい場所での食事 | 落ち着いて食べられない | 途中で食べるのをやめる、警戒する |
食事の場所が変わる | 環境変化にストレスを感じる | 食事を避ける、周りを気にする |
食器の違和感(素材・高さ) | 食器の音や感触を嫌がる | 食器に近づかない、床に落として食べる |
食事の時間が不規則 | 食事のリズムが崩れる | 食欲が安定しない、ムラ食いになる |
【騒がしい環境で食べられない場合の対処法】
・ 静かな場所を確保する
犬は聴覚が優れているため、大きな音や人の話し声が気になる ことがあります。以下の方法で環境を整えましょう。
- 食事は静かな部屋で(テレビ・音楽の音を避ける)
- 他のペットや子供が邪魔しない環境にする
- 同じ場所で食べさせる(毎回違う場所だと落ち着かない)
・食事の時間を一定にする
- 毎日同じ時間に与える(体内リズムを作る)
- 食事時間を15分程度に決め、食べなかったら下げる
- 食事の時間がバラバラだと、犬が 「いつでも食べられる」 と思い、食べムラが出ることがある
- 食事をダラダラと置きっぱなしにしない
【食器の違和感で食べない場合の対処法】
食器の素材や高さが合わないと、犬が食事を嫌がることがあります。
特に ステンレス製の食器 は、音や光の反射を嫌がる犬もいます。
① 食器の素材を見直す
食器の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ステンレス製 | 丈夫で衛生的 | 反射や音を嫌がる犬がいる |
陶器製 | 匂いがつきにくく、安定感がある | 割れる可能性がある |
プラスチック製 | 軽くて扱いやすい | 傷がつきやすく、菌が繁殖しやすい |
- 音や反射が苦手なら陶器製に変更
- 滑り止め付きの食器を使う(食器が動くのを嫌がる犬向け)
② 食器の高さを調整する
食器の高さが低すぎると、食べにくくなる ことがあります。
特に シニア犬や首の長い犬種(ダックスフンドなど) は、低い位置にあると負担がかかります。
犬の体格・年齢 | 推奨される食器の高さ |
---|---|
小型犬(チワワ・トイプードル) | 床置き or 5cm程度の高さ |
中型犬(柴犬・コーギー) | 5~10cm程度の高さ |
大型犬(ラブラドール・ゴールデン) | 10~20cm程度の高さ |
シニア犬(関節が弱い犬) | 10cm以上の高さが推奨 |
- フードスタンドを使う
- 滑り止めマットを敷く(食器が動かないようにする)
【食べやすい環境を作るためのポイント】
食事スペースを固定する | ・決まった場所で食事をすることで安心感を与える ・フードボウルの周囲を整理し、落ち着いて食べられるようにする |
他のペットと距離を取る | ・多頭飼いの場合、食事中に他の犬が近づくとストレスになる ・別の部屋や仕切りを設けて、1匹ずつ食べられるようにする |
食べる前に軽く運動させる | ・食事前に少し遊ぶと食欲が湧きやすくなる ・軽い散歩やおもちゃ遊びをしてから食事を与えると効果的 |
【獣医に相談すべきタイミング】
食事環境を整えても 3日以上食べない場合や体重減少が見られる場合は、別の原因がある可能性があります。
✔ 食器を変えても食べない(歯の痛みや口内トラブルの可能性)
✔ 環境を整えても食べない(内臓疾患やストレスの可能性)
✔ 水も飲まなくなった(脱水のリスク)
✔ 食べたい素振りはあるが食べない(胃腸の不調、口の違和感の可能性)
食事習慣や好み
犬の 食事習慣や嗜好 もドッグフードを食べなくなる要因になります。
ドッグフードの味や匂いの変化
犬は 嗅覚が鋭く、味や匂いの変化に敏感 です。ドッグフードの成分・鮮度・保管方法 などが変わることで、犬が食べなくなることがあります。
特に 賞味期限切れやフードの酸化、急なフード変更 は食欲不振の原因になりやすいです。ここでは、原因ごとの対処法・フードの工夫・食べさせるコツ について詳しく解説します。
【ドッグフードの味や匂いの変化による食欲不振の原因】
原因 | 影響 | 犬の反応・症状 |
---|---|---|
賞味期限切れ・酸化 | 古くなったフードの油分が酸化し、嫌な匂いがする | フードを口に入れず、匂いを嗅ぐだけで食べない |
急なフード変更 | 新しいフードの味や匂いに慣れない | 興味を示さない、食べるのをためらう |
フードの保管方法の問題 | 湿気や気温の変化で味や香りが変化 | 以前は食べていたのに急に食べなくなる |
嗅覚・味覚の衰え(シニア犬) | 香りが弱いと食欲が刺激されない | 興味は示すが食べる量が減る |
【賞味期限切れ・酸化したフードへの対処法】
ドッグフードは 時間が経つと酸化 し、風味が落ちるだけでなく、犬にとって不快なニオイ になります。特に 油分を多く含むフード は劣化しやすいです。
・賞味期限・保存状態を確認
- 賞味期限切れのフードは与えない
- 開封後1ヶ月以内に使い切るのが理想
- 大袋より小袋を購入し、新鮮なものを与える
・ 正しいフードの保存方法
保存方法 | ポイント |
---|---|
密閉容器に移す | フードの酸化を防ぐため、開封後はジップ付き袋や密閉容器に入れる |
冷暗所で保管 | 直射日光や高温多湿の場所は避ける(キッチン周辺は湿気が多いのでNG) |
冷蔵庫での保管(夏場) | 湿気の影響が少ないが、匂いが変わることがあるので要注意 |
1ヶ月以内に使い切る | 鮮度を保つため、大袋より小袋を購入 |
- 冷蔵庫の匂いが移ると犬が嫌がることがある
- 取り出した後は常温に戻してから与える
【急なフード変更で食べない場合の対処法】
犬は 突然のフード変更に敏感 で、新しいフードの味や匂いを警戒することがあります。急に切り替えると、食欲が落ちるだけでなく、消化不良(下痢・嘔吐) を起こすこともあります。
・フード変更の正しい手順
期間 | 新しいフードの割合 | 現在のフードの割合 |
---|---|---|
1~2日目 | 25% | 75% |
3~4日目 | 50% | 50% |
5~6日目 | 75% | 25% |
7日目以降 | 100% | 0% |
・新しいフードに慣れさせる方法
- トッピング(茹でたささみ・ヨーグルト)を少量加える
- フードを温めて香りを強くする
- 手から少しずつ与える
- トッピングを増やしすぎると、ドッグフードだけ食べなくなる
- 新しいフードを嫌がる場合は、元のフードと混ぜる量を減らさずに調整
【フードの匂いや味が原因で食べない場合の工夫】
① フードの香りを引き立たせる
方法 | 手順 | ポイント |
---|---|---|
ぬるま湯をかける | 40℃程度のぬるま湯を少量かけて混ぜる | 香りが立ち、嗅覚の衰えた犬でも食べやすくなる |
電子レンジで温める | フードを少しだけ温める(5~10秒程度) | 香りが強くなり食欲を刺激 |
スープを加える | 低脂肪の鶏肉スープや野菜スープを少量加える | 風味を変えて嗜好性を高める |
- 熱湯は栄養を壊すためNG
- 塩分の多いスープ(市販のもの)は避ける
② 食器を変える
犬は 金属製の食器の反射や音 を嫌がることがあります。特に 匂いが変わることで食欲が落ちる ことも。
・食器の見直し
食器の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ステンレス製 | 衛生的で丈夫 | 反射や金属臭を嫌がる犬がいる |
陶器製 | 匂いがつきにくい | 割れやすい |
プラスチック製 | 軽くて扱いやすい | 傷がつきやすく、細菌が繁殖しやすい |
・食器の対策
- 陶器製の食器に変えてみる
- 食器を毎日洗い、古い油の匂いを防ぐ
- 食器を少し高くする(食べやすくなる犬もいる)
【獣医に相談すべきタイミング】
フードの匂いや味が原因で食べない場合、多くは工夫次第で改善 できます。しかし、食欲不振が続く場合は他の健康問題 の可能性もあります。
✔ 3日以上フードを食べない(水分は摂れているか確認)
✔ 他の食べ物なら食べるが、フードだけ食べない(わがままの可能性)
✔ 急激に体重が減少している
✔ 元気がなく、嘔吐や下痢をしている
トッピング癖
犬にドッグフードを食べさせるために 鶏肉やチーズ、ウェットフードなどのトッピング を続けていると、犬がトッピングの味に慣れてしまい、ドッグフードだけでは食べなくなる ことがあります。
この 「トッピング癖」 を放置すると、偏食が進み、栄養バランスが崩れる可能性もあります。
【トッピング癖がつく原因】
原因 | 犬の反応・症状 | 問題点 |
---|---|---|
トッピングの味に慣れる | トッピングがないと食べない | 偏食になりやすい |
飼い主がすぐにトッピングを追加 | フードを食べずに待つ | 「食べなければ美味しいものがもらえる」と学習 |
フードの味に飽きる | フードを嗅ぐだけで食べない | 栄養バランスが偏る |
【トッピング癖のデメリット】
栄養バランスの偏り | ・トッピングに頼ると、総合栄養食であるドッグフードのバランスが崩れる ・カルシウム・ビタミン・必須脂肪酸などが不足する可能性がある ・トッピングばかり食べると、特定の栄養過多(脂質・塩分)になりやすい |
わがまま食べの悪化 | ・「食べなければもっと美味しいものがもらえる」と学習 ・最終的にトッピングすら選ぶようになり、ドッグフードを完全に拒否することもある |
消化器トラブルのリスク | ・トッピングが高脂肪の場合、膵炎や胃腸トラブルのリスクが増える ・食べる量が減ることで、便が不安定になりやすい |
【トッピングを減らしてドッグフードだけで食べさせる方法】
① トッピングを徐々に減らす(段階的調整法)
トッピングをいきなりやめると、犬が混乱し、完全に食べなくなることがある ため、少しずつ減らすことがポイントです。
期間 | トッピングの割合 | ドッグフードの割合 |
---|---|---|
1~2日目 | 75% | 25% |
3~4日目 | 50% | 50% |
5~6日目 | 25% | 75% |
7日目以降 | 0% | 100% |
- 犬がトッピングだけを選んで食べる場合は、しっかり混ぜ込む
- トッピングを少しずつ減らし、最終的にフードのみで食べられるようにする
② トッピングなしでも食べやすくする工夫
「トッピングがないと食べない」という犬には、フードの香りや食感を変える工夫が有効です。
方法 | 手順 | ポイント |
---|---|---|
ぬるま湯でふやかす | 40℃程度のぬるま湯を加えて混ぜる | 香りが立ち、食欲を刺激 |
電子レンジで温める | 5~10秒ほど加熱 | 風味が増し、嗅覚の弱い犬でも食べやすくなる |
低脂肪スープをかける | 鶏肉や野菜の茹で汁を少量混ぜる | 香りをつけるが、味を濃くしすぎない |
トッピングの代わりにふりかけ | 犬用ふりかけ(無添加)を少量かける | 栄養バランスを崩さず嗜好性UP |
- フードの味を変えすぎると「特定の味でしか食べない」問題が発生
- 味を濃くしすぎず、自然な風味を活かす工夫が大切
③ しばらく食べない場合の対処法
トッピングを減らした直後、犬が 「食べなければトッピングがもらえるかも」 と期待して食べないことがあります。
その場合はルールを決めて対応してください。
- 食事時間を決め、10~15分経っても食べない場合は片付ける
- 次の食事時間まで何も与えず、根気よく待つ
- 犬が食べるまで、トッピングを足さない
- 1~2食抜くことになっても、健康な犬なら問題なし
- 子犬・シニア犬・病気の犬は長時間の絶食がリスクになるため、無理に食べさせる方法も検討
- 「食べなければもっと美味しいものがもらえる」と学習させないことが重要
【トッピングをやめる際のNG行動】
NG行動 | 理由 |
---|---|
急にトッピングをやめる | 拒否反応を示し、完全に食べなくなる可能性がある |
すぐに別のトッピングを追加する | 「食べなければ新しいものがもらえる」と学習する |
根負けして手から与える | 食べさせてもらうことが習慣になり、自分で食べなくなる |
おやつを増やして補う | おやつでお腹が満たされ、さらにドッグフードを食べなくなる |
おやつの与えすぎ
おやつを頻繁に与えすぎると、犬が 「おやつの方が美味しい」 と学習し、ドッグフードを食べなくなることがあります。
さらに、栄養バランスの偏りや肥満のリスクも高まるため、おやつの適量を守りつつ、ドッグフードをしっかり食べさせる習慣をつけることが重要 です。
ここでは、おやつの適正量・対処法・ドッグフードに戻す方法 を詳しく解説します。
【おやつの与えすぎが引き起こす問題】
問題 | 影響 | 犬の反応・症状 |
---|---|---|
ドッグフードを食べなくなる | おやつの方が美味しいため、フードを拒否する | フードを口にしない、おやつを催促する |
栄養バランスの崩れ | 必要な栄養素が不足し、健康に悪影響 | 被毛のパサつき、便がゆるくなる |
肥満のリスク | おやつのカロリーが高く、摂取量が増える | 体重増加、関節への負担 |
消化器トラブル | 高脂肪・高糖分のおやつは胃腸に負担 | 下痢・嘔吐・便秘 |
【おやつの適正量を知る】
おやつの量を適切に管理し、フードをしっかり食べさせることが大切です。
・おやつのカロリー管理
- おやつは1日の総カロリーの10%以下が目安
- 体重ごとの適正カロリー例(※1日あたり)
体重 | 1日の必要カロリー | おやつの上限(10%) |
---|---|---|
3kg | 約240kcal | 24kcal以下 |
5kg | 約380kcal | 38kcal以下 |
10kg | 約640kcal | 64kcal以下 |
・おやつの種類に注意
おやつの種類 | カロリー(目安) | 注意点 |
---|---|---|
ジャーキー(市販) | 50~80kcal/本 | 塩分・脂肪が多いものは避ける |
犬用ビスケット | 30~50kcal/個 | 糖分が多いものは控えめに |
ささみチップ | 10~20kcal/枚 | ヘルシーだが与えすぎに注意 |
野菜(にんじん・かぼちゃ) | 5~10kcal/スライス | 食物繊維が多く低カロリー |
ヨーグルト(無糖) | 10~20kcal/小さじ1 | 乳糖不耐症の犬は注意 |
- カロリーの高いおやつは少量に抑える
- 犬が好む「高脂肪・高タンパクおやつ」ばかり与えない
- 手作りおやつ(茹で野菜・鶏ささみ)を活用すると低カロリーで安心
【おやつを減らし、ドッグフードを食べさせる方法】
① おやつを徐々に減らす(段階的調整法)
急におやつをやめると、犬が混乱し、ストレスを感じることがあるため、少しずつ減らしていく のがポイントです。
期間 | おやつの量 | ドッグフードの割合 |
---|---|---|
1~2日目 | 75% | 25% |
3~4日目 | 50% | 50% |
5~6日目 | 25% | 75% |
7日目以降 | 0% | 100% |
・ おやつをフードの一部に置き換える方法
- フードを「おやつ感覚」で与える(手から1粒ずつあげる)
- おやつを与えるなら、フードをトリーツ代わりにする
- フードの一部をふりかけ状にして食事に混ぜる
② 食事の前におやつを与えない
- 食事の時間前におやつを与えない
- おやつを食べてしまうと、空腹を感じにくくなる
- 食事の時間になったら、まずドッグフードを与え、おやつは後に回す
③ 食事時間を決め、食べなければ片付ける
犬が「食べなければおやつがもらえる」と学習してしまうと、フードを拒否することがあります。
・食事時間ルールの例
- 食事は10~15分以内に食べなければ片付ける
- 次の食事時間まで何も与えない
- おやつは「食後のご褒美」として与える(量は少なめ)
④ フードを美味しくする工夫
「おやつの味に慣れてしまった犬」は、フードの風味を変えて興味を引くと効果的です。
方法 | 手順 | ポイント |
---|---|---|
ぬるま湯でふやかす | 40℃程度のぬるま湯をかけて混ぜる | 香りが強くなり、嗜好性アップ |
スープを加える | 低脂肪の鶏肉スープを少量加える | 味をつけすぎないよう注意 |
手から与える | 1粒ずつ手渡しであげる | おやつの代わりにフードを与える |
- おやつ感覚で食べるようにする工夫はOKだが、味を濃くしすぎない
- スープやふりかけを常用しすぎると、フード単体で食べなくなるので注意
【やってはいけないNG行動】
NG行動 | 理由 |
---|---|
おやつを急にやめる | ストレスでさらに食べなくなる可能性がある |
食べないからとおやつを追加する | 「食べなければおやつがもらえる」と学習する |
フードを放置して好きな時に食べさせる | いつでも食べられると、食欲が安定しない |
おやつを与えすぎて食事量を減らす | 栄養バランスが崩れ、健康リスクが高まる |
心理的な要因
犬の精神的な状態も食欲に影響します。
ストレス
犬はストレスを感じると 食欲が低下する ことがあります。
特に 環境の変化・不安・運動不足・騒音・飼い主の行動 などが影響し、フードを拒否する、食べる量が減る、ゆっくり食べる などの行動が見られることがあります。
【犬がストレスを感じる主な原因】
ストレスの原因 | 影響 | 犬の行動・症状 |
---|---|---|
環境の変化(引っ越し・模様替え) | 安心できる場所がなくなる | 食欲不振、落ち着かない、トイレの失敗 |
飼い主の不在・分離不安 | 飼い主がいないと不安を感じる | 食事を食べない、ソワソワする、鳴く |
騒音(花火・雷・工事) | 大きな音に敏感 | 食べながら周囲を警戒する、食欲低下 |
新しいペット・家族が増えた | 生活リズムの変化 | 食事を避ける、警戒心が強くなる |
運動不足 | ストレスが発散できない | フードを食べない、エネルギーが余って落ち着きがない |
【ストレスが原因でドッグフードを食べない場合の対処法】
① 食事環境を整える
犬が落ち着いて食事できるように、食事環境を改善しましょう。
静かな場所で食べさせる | ・食事中はテレビや音楽の音を小さくする ・他のペットや子供が近くにいると気が散るため、別の部屋で食べさせる ・引っ越し後は、以前と似た環境(食器の配置・マットなど)を再現する |
食事の場所を一定にする | ・毎回同じ場所で食べさせる ・犬が安心できる静かなコーナーを作る |
飼い主がそばにいると安心する犬の場合 | ・最初は飼い主が近くにいる状態で食事をさせる ・少しずつ距離を取り、最終的に一人で食べられるようにする |
② 分離不安がある犬への対策
飼い主が不在になると食欲が落ちる犬には、以下の方法を試しましょう。
おもちゃや知育玩具を活用 | ・食事の時間をポジティブな体験にするため、おもちゃを使って遊びながら食べさせる ・知育トイ(コングなど)にフードを詰めて与えると、食事が楽しくなる |
帰宅後すぐに食事を与えない | ・飼い主の不在=食事がもらえると関連付けると、分離不安が悪化する ・帰宅後は落ち着いた状態になってから食事を与える |
不安を軽減するための対策 | ・普段から少しずつ1匹で過ごす時間を増やす ・飼い主の匂いがついたタオルやブランケットを近くに置く |
③ 新しいペットや家族が増えた場合
新しいペットや家族が増えたことでストレスを感じ、食欲が落ちることがあります。
犬のスペースを確保 | ・新しいペットと食事の空間を分ける ・食事の時間帯をずらして、落ち着いて食べられるようにする |
時間をかけて慣れさせる | ・最初は別々の部屋で過ごさせ、少しずつ顔を合わせる機会を増やす ・新しい家族がいる状況に慣れれば、食欲が戻ることが多い |
④ 騒音が原因で食べない場合
雷や花火、工事の音などが原因でストレスを感じる犬は、安心できる環境を整えることが大切です。
騒音対策 | ・音を遮るために、窓を閉めカーテンを引く ・犬が安心できる隠れ場所(クレートやケージ)を用意する ・白いノイズ(テレビやエアコンの音)を使って環境音を和らげる |
騒音の中でも食べられるようにする工夫 | ・音に慣れさせるトレーニングを行う(小さい音から徐々に慣らす) ・食事中に好きな匂いのするトッピングを加えて興味を引く |
加齢による影響
加齢によって食欲が低下してドッグフードを食べなくなるケースについて解説します。
老犬の食欲低下
老犬(シニア犬)は 代謝の低下・嗅覚や味覚の衰え・歯や消化機能の衰え により、若い頃と比べて食欲が低下しやすくなります。さらに、関節痛や病気の影響、ストレス なども食欲不振の原因となることがあります。
【老犬の食欲低下の主な原因】
原因 | 犬の反応・症状 | 主な対策 |
---|---|---|
代謝の低下 | 運動量が減り、お腹が空きにくい | 食事量を減らし、消化しやすいフードに変更 |
嗅覚や味覚の衰え | フードの匂いに興味を示さなくなる | 温めて香りを立たせる、風味を強くする |
歯や歯茎の問題(歯周病・歯のぐらつき) | 硬いフードを嫌がる、片側でしか噛まない | ふやかす、ウェットフードに切り替える |
消化機能の衰え | 下痢や便秘、食後に吐く | 低脂肪・高消化性のフードを選ぶ |
病気(腎臓病・肝臓病・糖尿病など) | 食欲不振、水を多く飲む、体重減少 | 病気に合った療法食や獣医の診察 |
関節痛や姿勢の問題 | 食器の前に行くが、すぐ離れる | 食器の高さを調整、負担を減らす |
ストレス(環境の変化・飼い主の不在) | 落ち着かない、食事を途中でやめる | 食事場所を固定し、リラックスできる環境を作る |
【老犬がドッグフードを食べない場合の対処法】
① フードを食べやすくする工夫
・食感を変える(硬いフードを嫌がる場合)
方法 | 手順 | ポイント |
---|---|---|
ふやかす | ぬるま湯(40℃程度)で10分ほどふやかす | 噛む負担を減らし、食べやすくする |
ウェットフードに変更 | 柔らかいタイプに切り替える | 香りが強く、嗅覚が衰えた犬にも◎ |
ペースト状にする | フードをミキサーで潰す | 飲み込むのが楽になる |
- 熱湯は栄養を壊すためNG
- 柔らかくしすぎると噛む力が衰えるため、ほどよい硬さにするのが理想
・フードの香りを強くする(嗅覚が弱っている場合)
方法 | 手順 | ポイント |
---|---|---|
電子レンジで温める | 5~10秒ほど加熱 | 香りが強くなり、食欲を刺激 |
スープを加える | 低脂肪の鶏肉スープや野菜スープを少量混ぜる | 自然な風味で食べやすく |
② 消化しやすい食事に変える
・老犬用(シニア用)フードを選ぶ
- 消化しやすいタンパク質(鶏肉・魚)を含むフードを選ぶ
- 低脂肪・低カロリーで胃腸に優しいものを選択
・食物繊維を補う(便秘対策)
食材 | 効果 | 与え方 |
---|---|---|
さつまいも | 便を柔らかくする | 少量をふかして混ぜる |
かぼちゃ | 消化を助ける | 少量をトッピング |
ヨーグルト(無糖) | 腸内環境を整える | 小さじ1杯程度 |
③ 食事の姿勢を楽にする
食器の高さを調整 | ・食器を5~10cmの高さにすると、首や関節への負担が減る ・関節炎がある犬は、食べやすい姿勢にしてあげる |
食事スペースを快適にする | ・静かな場所で食べさせる(騒音を避ける) ・床が滑る場合はマットを敷く(食事中に踏ん張れるようにする) |
④ 1回の食事量を減らし、回数を増やす
老犬は 1回の食事量が多いと、胃に負担がかかる ため、小分けにするのが理想です。
方法 | メリット |
---|---|
1日2回 → 1日3~4回に分ける | 消化しやすくなり、食欲が安定 |
1回の量を減らす | 胃腸への負担を軽減 |
食事の間に軽く遊ばせる | 適度な運動で食欲アップ |
まとめ
上記のように犬がドッグフードを食べなくなる原因は多岐にわたります。
フードの鮮度や種類の変化、食事環境の影響、体調不良、ストレス、わがままによる偏食、おやつの与えすぎ、老化による食欲低下 など、さまざまな要因が考えられます。
そのため、愛犬の状態をよく観察し、適切な対策をおこなってください。
① フードの鮮度や種類の変化に対応する
ドッグフードの 賞味期限や保管方法 を確認し、劣化したものは避けることが基本です。急なフード変更は犬が警戒することがあるため、1週間かけて徐々に切り替える 方法が有効です。
また、ぬるま湯でふやかす・電子レンジで温める などの工夫をすれば、香りが立ち、食欲が刺激されます。
② 食事環境を整え、リラックスできるようにする
犬が落ち着いて食べられる環境を作ることも重要です。騒がしい場所や食器の変更がストレスになることがあるため、静かで安心できる食事スペースを確保する 必要があります。
特に老犬の場合は、食器の高さを調整し、関節への負担を軽減する ことが食欲維持につながります。
③ おやつやトッピングを減らし、ドッグフードを食べる習慣をつける
おやつやトッピングを多用すると、犬が「食べなければもっと美味しいものがもらえる」と学習し、フードを拒否するようになります。そのため、おやつの量を1日のカロリーの10%以下に抑え、トッピングの割合を徐々に減らしていく ことで、ドッグフードだけで食べる習慣を取り戻すことができます。
④ 老犬の食欲低下には食べやすい工夫を
シニア犬は 代謝や嗅覚・味覚の衰え、歯や消化機能の低下 により食欲が落ちることがあります。その場合は、ウェットフードに切り替える・ふやかして柔らかくする・低脂肪・高消化性のフードを選ぶ などの工夫が必要です。
また、1回の食事量を減らし、1日3〜4回に分けることで消化の負担を軽減 できます。
⑤ 3日以上食べない場合は獣医に相談する
一時的な偏食であれば適切な対策で改善できることが多いですが、3日以上食べない場合や、体重減少・嘔吐・下痢・元気がないといった症状が見られる場合は、病気の可能性もあるため、早めに獣医師に相談することが重要 です。
愛犬がドッグフードを食べない場合、焦らずに原因を特定し、適切な対策を行うことが大切 です。フードの鮮度管理や食事環境の見直し、食べやすい工夫を施しながら、健康的な食習慣をサポートしましょう。
万が一、食欲不振が長引いたり、異常が見られたりした場合は、早めに獣医に相談することで、愛犬の健康を守ることができます。