愛犬の避妊・去勢手術を考えているけれど、
「本当に必要?」
「手術のメリット・デメリットは?」
「費用やリスクは?」
など悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
こちらの記事では、愛犬の避妊手術・去勢手術に関する疑問を一つずつ丁寧に解説します。
手術の適切なタイミングや費用、術後のケア方法まで、飼い主さんが知りたい情報をわかりやすく紹介しているため、愛犬の健康を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
避妊・去勢手術とはどんな手術?メリット・デメリットについて解説します
避妊・去勢手術とは、犬の生殖能力をなくす手術です。
オス犬とメス犬で手術の内容が異なりますが、どちらも発情や病気のリスクを軽減することが目的です。ここでは、手術の基本的な情報を紹介します。
犬の避妊・去勢手術とは?
- 避妊手術(メス犬):卵巣・子宮を取り除く手術
- 去勢手術(オス犬):精巣を取り除く手術
ペットとしての生活を考えたとき、望まない妊娠の防止や病気のリスク軽減のため、多くの飼い主が手術を選択しています。
避妊手術と去勢手術の違い
避妊手術(メス) | 去勢手術(オス) | |
---|---|---|
目的 | 望まない妊娠の防止・病気予防 | 発情やマーキングの抑制・病気予防 |
手術方法 | 卵巣と子宮の摘出(または卵巣のみ) | 精巣の摘出 |
手術時間 | 約30分~1時間 | 約15~30分 |
術後の回復期間 | 7~10日程度 | 5~7日程度 |
手術の難易度 | 比較的高い(開腹手術) | 比較的簡単 |
手術をするメリット・デメリット
避妊手術・去勢手術をするメリット・デメリットはそれぞれ以下の通りです。
メリット
避妊・去勢手術は、病気の予防や発情ストレスの軽減に役立ちます。
望まない妊娠の防止だけでなく、攻撃性の抑制や長生きしやすくなるといったメリットもあります。
- メス犬:乳腺腫瘍や子宮蓄膿症のリスク軽減
- オス犬:前立腺疾患や精巣腫瘍の予防
- 全体的に寿命が長くなる傾向がある
- 発情期のストレス軽減(夜鳴き・興奮を抑える)
- マーキング・マウンティングの抑制
- 攻撃性が和らぐ場合がある
デメリット
一方で、麻酔のリスクや太りやすくなるなどのデメリットもあります。
手術後の体調管理を適切に行うことで、デメリットを最小限に抑えることができます。
- 麻酔のリスク:手術時に麻酔を使用するため、極稀に合併症が起こる可能性がある
- ホルモンバランスの変化:性格が変わることがある
- 体重増加のリスク:基礎代謝が下がり、太りやすくなる
避妊・去勢手術の最適な時期は?
手術の最適なタイミングは、一般的に生後6ヶ月~1歳の間とされています。
犬の成長や犬種によって適切な時期が異なるため、獣医師と相談して決めましょう。
犬の種類 | 避妊手術の適齢期 | 去勢手術の適齢期 |
---|---|---|
小型犬 | 生後6~8ヶ月 | 生後6~8ヶ月 |
中型犬 | 生後6~12ヶ月 | 生後6~12ヶ月 |
大型犬 | 生後12ヶ月~18ヶ月 | 生後12ヶ月~18ヶ月 |
高齢犬の手術はリスクが高くなるため、事前の健康チェックが必要です。
費用・相場・市町村の助成金について
手術の費用は、オス・メスや犬の大きさによって異なります。
また、自治体によっては助成金を受けられる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
手術内容 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 |
---|---|---|---|
避妊手術(メス) | 30,000~60,000円 | 40,000~80,000円 | 50,000~100,000円 |
去勢手術(オス) | 15,000~40,000円 | 20,000~50,000円 | 30,000~70,000円 |
一部の自治体では避妊・去勢手術の助成金制度があります。
「〇〇市 避妊手術 助成金」などで検索して確認しましょう。
手術の流れと当日の準備
手術を受ける際の流れとあらかじめ準備しておく内容について紹介します。
準備不足で手術当日に慌てることがないようきちんと流れを確認しておいてください。
- 手術前日は夜から絶食(水はOK)
- 術前検査(血液検査・レントゲン)を受ける
1. 診察・術前検査
2. 麻酔投与(全身麻酔)
3. 手術(約30分~1時間)
4. 覚醒・経過観察(数時間)
5. 帰宅(または一泊入院)
手術後は安静に過ごし、傷口を舐めさせないように注意が必要です。
また、食欲不振や傷口の異常が見られた場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。
- 術後1~2日は安静に
- 傷口を舐めないようエリザベスカラーを装着
- 食欲不振が続く場合は病院に相談
時期 | 状態 | 注意点 |
---|---|---|
手術当日 | ぐったりしている | 無理に食べさせない |
1~2日後 | 食欲が戻る | 傷口をチェック |
1週間後 | 活発になる | 抜糸が必要な場合は病院へ |
手術をしないという選択肢はある?
手術をしない場合、発情期のストレスや病気のリスクが高まることを理解しておく必要があります。
また、ホルモン注射などの選択肢もありますが、副作用のリスクがあるため獣医師と相談しましょう。
メス犬 | 乳腺腫瘍・子宮蓄膿症のリスクが高まる |
オス犬 | マーキング・攻撃性が強くなる可能性 |
また、ホルモン注射による避妊法もありますが、副作用のリスクがあるため推奨されません。
手術を受ける病院の選び方
病院によって手術の費用や術後ケアの充実度が異なります。
手術を受ける前に、実績や評判をチェックし、信頼できる病院を選びましょう。
- 実績が豊富か?
- 術後のケアがしっかりしているか?
- 費用が明確に提示されているか?
口コミや評判をチェックするのも重要です。
避妊手術・去勢手術に関するよくあるQ&A
「手術しないと病気になる?」「手術後に性格は変わる?」など、よくある疑問に回答します。
避妊・去勢手術に関する不安を解消し、納得したうえで決断できるようにしましょう。
- 避妊・去勢手術をしないと病気になるって本当?
病気のリスクは確実に高まります。
避妊・去勢手術をしない場合、以下の病気のリスクが上がります。
【メス犬の場合】
- 乳腺腫瘍(初回発情前の避妊で99%予防)
- 子宮蓄膿症(高齢になるほど発症率が上がる)
- 卵巣腫瘍・子宮がん
【オス犬の場合】
- 前立腺肥大・前立腺がん
- 精巣腫瘍
- 会陰ヘルニア
特にメス犬の乳腺腫瘍と子宮蓄膿症は命に関わる病気なので、早めの避妊手術が推奨されます。
- 避妊・去勢手術をすると性格が変わる?
基本的な性格は変わりませんが、行動が落ち着くことがあります。
手術によってホルモンバランスが変化するため、以下のような変化が見られることがあります。
- 攻撃的な行動が減る(特にオス犬)
- 発情時のストレスがなくなるため落ち着く
- マウンティングやマーキング行動が減る
ただし、元々の性格自体が変わるわけではなく、あくまでホルモンの影響を受けた行動が抑えられるだけです
- 避妊・去勢手術の最適なタイミングはいつ?
一般的には生後6ヶ月~1歳ですが、犬種によって異なります。
一般的に推奨されるのは、生後6ヶ月~1歳の間です。
しかし、大型犬の場合は骨の成長に影響を与える可能性があるため、生後12ヶ月以降が推奨されることもあります。【避妊手術(メス犬)】
- 初回発情前(生後6~8ヶ月)が最も効果的
- 乳腺腫瘍の発生率が大幅に下がる
【去勢手術(オス犬)】
- 生後6ヶ月以降が目安
- 早めの手術でマーキングや攻撃性を抑えやすい
不安な場合は、獣医師と相談しながら時期を決めましょう。
- 避妊・去勢手術は痛くないの?
手術中は麻酔を使用するため痛みはありませんが、術後は多少の痛みがあります。
全身麻酔をするため、手術中は痛みを感じません。
術後は傷口が痛むことがありますが、痛み止めの薬を処方されるので、大きな苦痛を感じることは少ないです。【術後の痛みの対策】
- 1~2日は安静にさせる
- 傷口を舐めないようエリザベスカラーを装着
- 食欲が落ちた場合は好物を与えて様子を見る
通常、3日ほどで痛みは落ち着き、1週間程度で元気に戻ります。
- 手術後に太りやすくなるって本当?
代謝が落ちるため、食事管理をしないと太りやすくなります。
避妊・去勢手術をすると、ホルモンの変化により基礎代謝が低下します。
そのため、術後も同じ食事量を与え続けると太りやすくなります。【太らせないためのポイント】
- 低カロリーのフードに変更
- 食事量を少し減らす
- 散歩や運動の時間を増やす
正しく管理すれば、手術後でも健康な体型を維持できます。
- 高齢犬でも手術できる?
できますが、麻酔のリスクが高まるため慎重に判断が必要です。
7歳以上の高齢犬は、麻酔のリスクが高くなるため事前の健康診断が必須です。
心臓・肝臓・腎臓に問題がある場合は、手術を避けることも検討しましょう。
- 手術後はどれくらいで元気になる?
個体差はありますが、通常は2~3日で元気を取り戻します。
- 手術当日:ぐったりして寝ている
- 1~2日後:少しずつ動き出す
- 1週間後:ほぼ元気に戻る
元気が戻らない場合は、獣医師に相談しましょう。
- 避妊・去勢手術をすると寿命が延びる?
病気のリスクが減るため、結果的に長生きする可能性が高いです。
特にメス犬の乳腺腫瘍や子宮蓄膿症、オス犬の前立腺疾患のリスクが減るため、
手術を受けた犬のほうが長生きしやすい傾向があります。
- 手術しない場合の代替方法はある?
ホルモン注射がありますが、副作用が強いためおすすめできません。
ホルモン注射で発情を抑える方法もありますが、
長期的に使用すると乳腺腫瘍や子宮蓄膿症のリスクが高まるため、手術のほうが安全です。